Chromeのオリジントライアル入門

オリジントライアルは、ウェブプラットフォームの新しい機能や実験的な機能が一般公開されるより先に、使いやすさ、実用性、そして有効性についてテストし、ウェブ標準コミュニティにフィードバックできる方法です。

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翻訳先言語: English

翻訳者の yoichiro さんに感謝いたします。

オリジントライアルを利用すると、一般公開されるより先に、新しい機能や実験的な機能を期間を限定してユーザに試してもらうことができるようになります。

Chrome がある機能のオリジントライアルを提供している時、トライアルに登録して、あなたの オリジン 上で全てのユーザにその機能を有効にすることができます。そのために、Chrome のフラグを切り替えたり、別のビルドに切り替える必要はありません(ただし、アップグレードが必要な場合があります)。オリジントライアルにより、開発者は新しい機能を使用して、デモやプロトタイプを作成できます。このトライアルは、Chrome のエンジニアが新機能がどのように利用され、そして他のウェブテクノロジとどのように相互に利用されるかを理解するのにも役立ちます。

オリジントライアルは、全ての開発者に対してパブリックでありオープンですが、期間と使用方法に制限があります。参加は、限られたドキュメントとサポートのみ用意された自己管理プロセスです。参加者は、利用可能なドキュメントを使用して、比較的独立して作業する意思と能力を備えている必要があります。この段階では、API 仕様とその Explainer に限定される可能性がありますが、web.dev が可能な限りのガイダンスを提供します。

トライアルに登録すると、Chrome チームは定期的にトライアル機能の利用に関する具体的なフィードバックを求めます。 機能によっては、フィードバックを取り込み、調整を行うため、オリジントライアルが複数回行われる可能性があります。

サードパーティオリジントライアル

オリジントライアルは通常、ファーストパーティベースでのみ利用でき、登録された単一の オリジン でのみ機能します。サードパーティオリジントライアルにより、埋め込みコンテンツのプロバイダーは、オリジンごとにトークンを必要とせずに、複数のサイトを横断して新しい機能を試すことが可能となります。

詳細はこちらをご覧ください: What are third-party origin trials?

デプリケーショントライアル

すべてのオリジントライアルが新しい API のテスト向けであるとは限りません。一部のトライアルでは、廃止された機能を一時的に再度有効にすることができます。これらは デプリケーショントライアル として知られており、一部のコンテキストでは「リバース」オリジントライアルと呼ばれています。

例えば、 Chrome 85 から AppCache は初期状態で Chrome で使用できなくなりました。 AppCache から移行するために追加の時間が必要なサイトは、Chrome 93 まで deprecation trial to continue using AppCache に登録することができました。

オリジントライアルへの登録方法

  1. アクティブなトライアルのリスト から、オリジントライアルを選択します。
  2. Register ボタンをクリックしてフォームに記入を行い、トークンを要求します。
  3. 以下の方法の一つを使って、あなたのウェブページにトークンを追加します:
    • サーブされている各ページの <head> 内の meta タグ を使う: <meta http-equiv="origin-trial" content="TOKEN_GOES_HERE">
    • HTTP ヘッダを使う: Origin-Trial: TOKEN_GOES_HERE
  4. 新しい機能を試してみます。
  5. フィードバックを提出します。オリジントライアルのサイトを通じてこれを行ってください。このフィードバックは公開されず、Chrome チームの限定されたグループの人々へのみ利用可能となります。各トライアルは、自発的なコミュニティフィードバックへのリンクも提供します。これは通常、GitHub またはその他のパブリックチャネルの機能を指します。
  6. トークンが失効するときは、更新のためのリンクが書かれたメールを受け取ります。更新を行うために、再びフィードバックを提出するよう求められます。
Warning

通常、オリジントライアルが成功し、API が変更されることなく提供される場合、オリジントライアルが終了してから、ブラウザで実装がリリースされる日付まで、API は利用できなくなります。これは意図的です。Chrome がその機能を利用できない期間を設けなかった場合、API を改善するためにしばしば必要となる API が利用できない可能性も回避する方向にバイアスがかかります。最終的にリリースされる API が、それにより悪くなる可能性もあります。

まれな状況として、開発者がオリジントライアルに関与して、最終的な API の設計と実装にてそれらが考慮された際には、この破壊的な期間は リクエストに応じて 省略されることがあります。

DevTools でのオリジントライアル情報の閲覧

Chrome 94 から利用することができます。 Application パネルの下にある DevTools 内にて、現在はサイトのオリジントライアルについての情報を得ることが可能です。

Origin trials in the Frame details view

参考情報


Photo by Louis Reed on Unsplash.

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