DevTools の新機能 (Chrome 98)
翻訳者の lacolaco さん、レビュアーの yoichiroさんと technohippy さんに感謝いたします。
DevTools の改善に興味がある方はサインアップして Google User Research にご協力ください。
プレビュー機能: フルページアクセシビリティツリー
新しい フルページアクセシビリティツリー は、ページ全体の アクセシビリティツリー の概要を簡単に把握でき、Webコンテンツが支援技術にどう認識されるのかをより理解できるようにするためのものです。
Elements パネルで、 Accessibilty ペインを開き、 Enable full-page accessibility tree チェックボックスを選択します。その後、 DevTools をリロードすると、 Elements パネルに新しいアクセシビリティボタンが表示されます。
クリックすると、フルページアクセシビリティツリー表示に切り替わります。ノードを展開したり、クリックすると、 Accessibility ペインで詳細を見ることができます。
以前は、アクセシビリティツリーは Accessibility ペインで利用できました。このビューは限定的で、1つのノードとその祖先を探索することしかできません。
私たちのチームは、このプレビュー機能に対してまだ活発に取り組んでいます。さらなる強化のため、皆様からのフィードバックをお待ちしています!
Chromium issue: 887173
Changes タブで変更点のよりわかりやすい表示
Changes タブのコード変更点は、自動的にプリティプリントされます。
従来は、すべてのコードが1行で表示されるため、圧縮されたソースコードの実際の変更箇所を追跡することは困難でした。
Chromium issues: 1238818, 1268754 , 1086491
ユーザーフローレコーディングのタイムアウト時間を長く設定する
Recorder で、全ステップまたは特定のステップのタイムアウトの設定を調整できるようになりました。これは、遅いネットワークリクエストや長いアニメーションがあるページで特に便利です。
例えば、このデモページで、メニュー項目をロードしてクリックするまでのユーザーフローを記録してみました。しかし、メニュー項目の読み込みに時間がかかり(6秒)、このユーザーフローのリプレイは5秒(デフォルトのタイムアウト)を超えているので失敗しています。
これを解決するために、新しい Timeout 設定を使用することができます。メニュー項目をクリックしたステップを展開します。 Add timeout でステップを編集し、6000 ミリ秒 (6秒と等しい) に設定します。
Replay settings の中ですべてのステップの Timeout を調整することができます。 Replay settings を展開し、 Timeout の値を編集します。
Chromium issue: 1257499
Back/forward cache タブでページがキャッシュ可能であることを確認する
Back/forward cache (または bfcache) は、高速な戻る、進むを可能にするブラウザの最適化です。
新しい Back/forward cache タブは、ページが bfcache に最適化されているかどうかをテストし、対象外となる可能性がある問題を特定するのに役立ちます。
特定のページをテストするには、 Chrome でそのページに移動し、 DevTools で Application > Back-forward Cache に移動してください。次に、 Test back/forward cache ボタンをクリックすると、 DevTools はページをいったん離れた後で戻ろうと試み、 bfcache から復元できるかどうかを判断します。
Web 開発者は、すべてのブラウザで bfcache 用にページを最適化する方法を知っておくことが重要です。bfcache は、ユーザー、特に低速なネットワークやデバイスを使用するユーザーのブラウジング体験を大幅に改善します。
Chromium issue: 1110752
新しい Properties ペインのフィルター
Properties ペインで特定のプロパティにフォーカスしたい場合、新しい Filter テキストボックスにそのプロパティ名または値を入力することができるようになりました。
デフォルトでは、値が null
または undefined
であるプロパティは表示されません。すべてのプロパティを表示するには、 Show all のチェックボックスを有効にします。
これらの強化により、気になるプロパティに迅速にアクセスできるようになり、生産性が向上します!
Chromium issue: 1269674
CSS の force-colors メディア機能のエミュレート
forced-colors CSS メディア機能は、ユーザーエージェントが強制カラーモード(例: Windows High Contrast mode)を有効にし、ユーザーが選んだ限定カラーパレットをページに強制しているかどうかを検出するために使用されます。
Command Menu を開き、 Show Rendering コマンドを実行し、 Emulate CSS media feature forced-colors ドロップダウンを設定します。
Chromium issue: 1130859
ホバー時にルーラーを表示するコマンド
Command Menu を開き、 Show rulers on hover コマンドを実行できるようになりました。ページルーラーを使うと、要素の幅や高さを簡単に測れるようになります。
これまでは、 Settings > Show rulers のチェックボックスでのみページルーラーの表示が可能でした。
Chromium issue: 1270562
row-reverse
と column-reverse
をサポート
Flexbox エディターで Flexbox エディター に、 flex-direction
で row-reverse
と column-reverse
をサポートする2つの新しいボタンが追加されました。
Chromium issue: 1263866
XHR のリプレイと全検索結果の展開に新しいキーボードショートカットを追加
ネットワークパネルで XHR をリプレイするためのキーボードショートカット
Network パネルで XHR リクエストを選択し、キーボードの R キーを押すと XHR がリプレイされます。以前は、コンテキストメニュー(右クリック > Replay XHR )を介してのみ XHR をリプレイすることができました。
Chromium issue: 1050021
検索結果をすべて展開するキーボードショートカット
Search タブに新しいショートカットが追加され、すべての検索結果を展開したり折りたたんだりできるようになりました。これまでは、1ファイルずつクリックすることで、検索結果を展開したり折りたたんだりすることができました。
Esc > 3点メニュー > Search でタブを開いてください。検索文字列(例:関数)を入力し、 Enter を押すと、検索結果の一覧が表示されます。検索結果にフォーカスし、以下のショートカットで検索ファイルの展開・折りたたみができます。
- Windows / Linux -
Ctrl
+Shift
+{
or}
- MacOS -
Cmd
+Options
+{
or}
Chrome DevTools のキーボードショートカットのリファレンスは、キーボードショートカットをご覧ください。
Chromium issue: 1255073
Lighthouse パネルの Lighthouse 9
Lighthouse パネルで Lighthouse 9が動作するようになりました。 Lighthouse は、同じ id を共有するすべての要素をリストアップするようになりました。
要素の id が一意でないことはよくあるアクセシビリティ上の問題です。例えば、 aria-labelledby
属性で参照される id が複数の要素で使用されていることがあります。
アップデートの詳細は、 What's new in Lighthouse 9.0 をご確認ください。
Chromium issue: 772558
Sources パネルの改善
CodeMirror 6 を使用するようにアップグレードしたため、 Sources パネルの安定性が大幅に改善されました。以下は、いくつかの主要な改善点です。
- 大きなファイル(WASM 、 JavaScript など)を開く際の大幅な高速化
- コードを読み進める際のランダムなスクロールを解消
- 編集可能なソース(スニペット、ローカルオーバーライドなど)に対するオートコンプリートの候補を改善
Chromium issue: 1241848
その他のハイライト
今回のリリースでは、以下のような注目の修正点があります。
- ネットワークリクエストのウォーターフォール図を正しく表示するようにしました。以前は、スタイルが崩れていました (1275501)
- Source パネルで非常に長い行のドキュメントで検索すると、コードハイライトが壊れていました。これは現在修正されています (1275496)
- ネットワークリクエストで、 Payload タブが重複しないようになりました (1273972)
- Performance パネルの Summary セクションのレイアウトシフトの詳細が欠落していたのを修正しました (1259606)
- Network Search のクエリで、任意の文字(例:
,
や.
)をサポートしました (1267196)
[実験的] Reporting API ペインに Endpoints を追加
この実験的機能を有効にするには、 Settings > Experiments にある Enable Reporting API panel in Application panel チェックボックスをオンにします。
Chrome 96 で実験的に導入された Reporting API ペインでは、ページで生成されたレポートとそのステータスを監視することが可能です。
Endpoints セクションが利用可能になりました。これは Reporting-Endpoints
ヘッダで設定されたすべてのエンドポイントの概要を提供します。
Reporting API を使用してセキュリティ違反や非推奨の API コールなどを監視する方法を学びましょう。
Chromium issue: 1200732
プレビューチャンネルのダウンロード
Chrome Canary、Dev、Betaをデフォルトの開発ブラウザとして利用することを検討してください。これらのプレビューチャンネルでは DevTools の最新機能を利用でき、最先端のウェブプラットフォーム API をテストして、ユーザーが遭遇するよりも先にあなたのサイトの問題を見つけることができます。
Chrome DevTools チームとの交流
新しい機能や、この投稿の変更、その他 DevTools に関することであれば何でも、意見があれば以下のいずれかを使用してご連絡ください。
- 私たちへの提案やフィードバックはcrbug.comから投稿してください。
- DevTools の問題は DevTools の More options > Help > Report a DevTools issues を使用してレポートしてください。
- @ChromeDevTools 宛にTweetしてください。
- What's new in DevTools YouTubeビデオにコメントを残してください。
More DevTools features
関連する機能の完全なリストは、What's New In DevTools の英語版を参照してください。以下は、日本語に翻訳された内容の一部です。
Chrome 110
- 再読み込み時の Performance パネルのクリア
- Recorder の更新
- Recorder でのユーザーフローコードの表示およびハイライト
- レコーディング時のセレクタタイプのカスタマイズ
- レコーディング中のユーザーフローの編集
- 自動的な直接のプリティプリント
- Vue、SCSS などのシンタックスハイライトとインラインプレビューの改善
- Console での人間工学的で一貫性のあるオートコンプリート
- その他のハイライト
Chrome 109
- Recorder: ステップごとのCopy asオプション、ページ内リプレイ、ステップのコンテキストメニュー
- パフォーマンスの記録の中で実際の関数名を表示
- ConsoleとSourcesパネルでの新しいキーボードショートカット
- JavaScript デバッグの改善
- その他のハイライト
- [実験的] ブレークポイント管理の UX 改善
- [実験的] 自動的な直接のプリティプリント
Chrome 108
Chrome 107
- DevTools のキーボードショートカットのカスタマイズ
- キーボードショートカットでのライトテーマとダークテーマの切り替え
- Memory Inspector で C/C++ オブジェクトをハイライト表示
- HAR インポート時の完全な Initiator 情報をサポート
Enter
を押した時にのみ DOM 検索を開始- CSS のフレックスボックスプロパティ
align-content
にstart
とend
のアイコンを表示 - その他のハイライト
Chrome 106
- Sources パネルでの Authored / Deployed によるファイルのグループ化
- 非同期処理にリンクされたスタックトレース
- 既知のサードパーティスクリプトを自動的に無視する
- デバッグ中の改善されたコールスタック
- Sources パネルで無視リストに含まれるソースを非表示にする
- Command Menu で無視リストにあるファイルを非表示にする
- Performance パネルの新しい Interactions トラック
- Performance Insights パネルでの LCP タイミングの内訳
- Recorder パネルでの記録のデフォルト名称の自動生成
- その他のハイライト
Chrome 105
- Recorder パネルでのステップ・バイ・ステップ再生
- Recorder パネルでのマウスオーバーイベントのサポート
- Performance insight パネルに Largest Contentful Paint (LCP) を追加
- レイアウトシフトの潜在的な主要因であるテキストのフラッシュ(FOIT、FOUT)を識別
- Manifest ペインの Protocol ハンドラ
- Elements パネルの Top layer バッジ
- 実行時に WASM のデバッグ情報をアタッチ
- デバッグ中のライブ編集をサポート
- Styles ペインで @scope at-rule の閲覧と編集
- Source map の改善
- その他のハイライト
Chrome 104
- デバッグ中のフレーム再起動
- Recorder パネルでのスロー再生オプション
- Recorder パネル用の拡張機能を構築
- Sources パネルで Authored / Deployed でファイルをグループ化する
- Performance insights パネルの新しい User Timings トラック
- 要素に割り当てられたスロットの表示
- パフォーマンス計測のためのハードウェア並列度シミュレーション
- CSS 変数のオートコンプリート時に色以外の値のプレビュー
- Back/forward cache ペインでブロックしているフレームの特定
- JavaScript オブジェクトのオートコンプリート候補の改善
- ソースマップの改善
- その他のハイライト
Chrome 103
- Recorder パネルでのダブルクリックイベントや右クリックイベントのキャプチャ
- Lighthouse パネルでの新しいタイムスパンモードとスナップショットモード
- Performance Insights パネルでの改善されたズーム制御
- パフォーマンスレコーディングの削除確認
- Element パネルでのペインの並び替え
- ブラウザ外でのカラーピッキング
- デバッグ中の改善されたインラインでの値のプレビュー
- 仮想認証器での大きな blob サポート
- Sources パネルでの新しいキーボードショートカット
- ソースマップの改善
Chrome 102
- プレビュー機能: 新しいパフォーマンスインサイトパネル
- ライトテーマとダークテーマをエミュレートする新しいショートカット
- Network Preview タブのセキュリティ改善
- ブレークポイントのリロード改善
- コンソールの更新
- ユーザーフローレコーディングを開始時にキャンセル
- Styles ペインで継承されたハイライト疑似要素を表示
- その他のハイライト
- [実験的] CSS の変更をコピー
- [実験的] ブラウザ外の色を抽出
Chrome 101
- 記録されたユーザーフローをJSONファイルとしてインポート/エクスポート
- Styles ペインでカスケードレイヤーを表示する
- hwb() カラー関数のサポート
- プライベートプロパティの表示を改善
- その他のハイライト
- [実験的] Lighthouse パネルに新しいタイムスパンとスナップショットのモードを追加
Chrome 100
- Styles ペインでの @supports アットルールの表示と編集
- デフォルトで共通セレクタをサポート
- レコーディングのセレクタをカスタマイズする
- レコーディングのリネーム
- ホバーでクラスや関数のプロパティをプレビューする
- Performance パネルでの Partially presented frames
- その他のハイライト
Chrome 99
- WebSocketリクエスト数の制限
- Application パネル内に新しく追加されたReporting API ペイン
- Recorder パネルに要素が可視/クリック可能になるまで待機する機能が追加
- コンソールのスタイル設定、フォーマット、フィルタの改善
- ソースマップファイルを使用した Chrome 拡張機能のデバッグ
- Sources パネルのソースフォルダツリーの改善
- Sources パネルにワーカーのソースファイルを表示
- Chrome の自動ダークテーマの更新
- タッチ操作で使いやすいカラーピッカーとスプリットペイン
- その他のハイライト
Chrome 98
- プレビュー機能: フルページアクセシビリティツリー
- Changes タブで変更点のよりわかりやすい表示
- ユーザーフローレコーディングのタイムアウト時間を長く設定する
- Back/forward cache タブでページがキャッシュ可能であることを確認する
- 新しい Properties ペインのフィルター
- CSS の force-colors メディア機能のエミュレート
- ホバー時にルーラーを表示するコマンド
- Flexbox エディターで
row-reverse
とcolumn-reverse
をサポート - XHR のリプレイと全検索結果の展開に新しいキーボードショートカットを追加
- Lighthouse パネルの Lighthouse 9
- Sources パネルの改善
- その他のハイライト
- [実験的] Reporting API ペインに Endpoints を追加
Chrome 97
- プレビュー機能: 新しい Recorder パネル
- デバイスモードでのデバイス一覧の更新
- Edit as HTML でのオートコンプリート
- 改善されたコードデバッグ体験
- デバイスを横断した DevTools 設定の同期
Chrome 96
- プレビュー機能: 新しい CSS Overview パネル
- CSS の length の編集とコピーの挙動の復旧と改善
- CSS の prefers-contrast メディア機能のエミュレート
- Chrome の Auto Dark Theme 機能のエミュレート
- Styles ペインで JavaScript として宣言をコピー
- Network パネルの新しい Payload タブ
- Properties ペインのプロパティ表示の改善
- コンソールで CORS エラーを隠すオプション
- Console での適切な
Intl
オブジェクトのプレビューと評価 - 一貫性のある async スタックトレース
- Console のサイドバーの維持
- Application パネルの Application cache ペインの廃止
- [実験的] Application パネルの新しい Reporting API ペイン
Chrome 95
- 新しいCSSの長さ編集ツール
- Issues タブで問題を隠す
- プロパティの表示の改善
- Lighthouse 8.4 が Lighthouse パネルに
- Sources パネルでのスニペットの並べ替え
- 翻訳されたリリースノートへの新しいリンクと翻訳バグの報告
- DevTools Command MenuのUI改善
Chrome 94
- 好みの言語での DevTools の利用
- 新しく Nest Hub デバイスがデバイスリストに
- フレーム詳細ビューの Origin trials
- 新しい CSS コンテナクエリバッジ
- ネットワークフィルタを反転するための新しいチェックボックス
- Console サイドバーが今後非推奨に
- Issue タブや Network パネルでの未加工の
Set-Cookie
ヘッダーの表示 - Console での自身のプロパティとしてのネイティブアクセサの一貫した表示
- #sourceURL を使ったインラインスクリプトの適切なエラースタックトレース
- Computed ペインでのカラーフォーマットの変更
- カスタムツールチップをネイティブの HTML ツールチップに置き換え
- [実験的] Issues タブでの問題の非表示