DevTools の新機能 (Chrome 96)
翻訳者の technohippy さん、レビュアーの lacolaco さんと yoichiro さんに感謝いたします。
DevTools の改善に興味がある方はサインアップして Google User Research にご協力ください。
プレビュー機能: 新しい CSS Overview パネル
新しい CSS Overview パネルを使用するとあなたのページの CSS を改善できる可能性を確認できます。 CSS Overview パネルを開き、Capture overview をクリックしてページの CSS のレポートを生成してください。
情報をさらに詳細化することも可能です。例えば、Colors セクションの色をクリックして同じ色を適用する要素のリストを表示できます。いずれかの要素をクリックすると Elements パネルでその要素が開きます。
CSS Overview パネルはプレビュー機能です。私達のチームはまだ積極的にこの機能に取り組んでおり、さらなる改善のためのフィードバックを求めています。
この記事を読むと、CSS Overview パネルについて更に詳細に学ぶことができます。
Chromium issue: 1254557
CSS の length の編集とコピーの挙動の復旧と改善
copy CSS と edit as text の対象がCSS プロパティと長さを合わせたものに戻されました。これらの挙動は直近のリリースでは壊れていました。
加えて、単位の値をドラッグして調節でき、単位もドロップダウンで更新できるようになりました。この追加の編集機能はテキスト編集としての主な機能には影響を与えないはずです。
もし何か問題があれば goo.gle/length-feedback で報告してください。
この機能は Settings > Experiments > Enable CSS length authoring tools in the Styles pane チェックボックスを使用して無効化できます。
Chromium issues: 1259088, 1172993
Rendering タブのアップデート
CSS の prefers-contrast メディア機能のエミュレート
prefers-contrast メディア機能はユーザーがページのコントラストを強く、もしくは弱くすることを要求しているかどうかを検出するために使用されます。
Command Menu を開き、Show Rendering コマンドを実行して、Emulate CSS media feature prefers-contrast ドロップダウンを設定してください。
Chromium issue: 1139777
Chrome の Auto Dark Theme 機能のエミュレート
DevTools を使用して自動ダークテーマをエミュレートし、Chrome の Auto Dark Theme が有効になっているときにページがどのように見えるかを簡単に確認できます。
Chrome 96 は Android で Auto Dark Theme の Origin Trial を開始しました。この機能を使用すると、ユーザーが OS のダークテーマ機能を有効にしているときに、ブラウザは明るいテーマのサイトに対して自動的に生成されたダークテーマを適用します。
Command Menu を開き、Show Rendering コマンドを実行し、Emulate auto dark mode ドロップダウンを有効にしてください。
Chromium issue: 1243309
Styles ペインで JavaScript として宣言をコピー
コンテキストメニューにCSS ルールを JavaScript プロパティとして簡単にコピーできる新しいオプションが2つ追加されました。これらのショートカットオプションは特にCSS-in-JS ライブラリを利用している開発者にとって便利でしょう。
Styles ペインの CSS ルール上で右クリックしてください。Copy declaration as JS を選択すると単一のルールを、Copy all declarations as JS を選択するとすべてのルールをコピーできます。
例えば、次の例では padding-left: '1.5rem'
がクリップボードにコピーされます。
Chromium issue: 1253635
Network パネルの新しい Payload タブ
Network パネルの新しい Payload タブを使用して、ペイロードを伴うネットワークリクエストを調査できます。これまではペイロードの情報は Headers タブの中で利用可能でした。
Chromium issue: 1214030
Properties ペインのプロパティ表示の改善
Properties ペインでそのインスタンスのすべてのプロパテが表示されるのではなく、関連するプロパティだけが表示されるようになりました。これからは DOM プロパティとメソッドは表示から除かれます。
これからはChrome 95 での Properties ペインの 拡張 と合わせて、関係するプロパティをより容易に指定できます。
Chromium issue: 1226262
コンソールのアップデート
コンソールで CORS エラーを隠すオプション
Console で CORS エラーを隠すことができます。CORS エラーは Issues タブで表示されるので、Console で CORS エラーを隠すと、乱雑さを減らす助けになります。
Console で、Settings アイコンをクリックして Show CORS errors in console チェックボックスのチェックを外してください。
Chromium issue: 1251176
Intl
オブジェクトのプレビューと評価 {: #intl } -->
Console での適切な Intl オブジェクトが Console で適切にプレビューされ、先行評価されるようになりました。以前は、Intl
オブジェクトは先行評価されませんでした。
Chromium issue: 1073804
一貫性のある async スタックトレース
他の非同期タスクとの一貫性のために、DevTools が async
関数の async
スタックトレースをレポートするようになりました。
Chromium issue: 1254259
Console のサイドバーの維持
Console のサイドバーは維持されます。Chrome 94 で、Console のサイドバーがいずれ廃止されるとアナウンスし、開発者の皆さんにフィードバックと懸念事項を尋ねました。
この廃止の通知に対する十分なフィードバックが集まり、廃止するのではなくサイドバーの改善に取り組むことになりました。
Chromium issues: 1232937, 1255586
Application パネルの Application cache ペインの廃止
Chrome やその他の Chromium ベースのブラウザから AppCache のサポートが外れることに伴い、Application パネルの Application cache は削除されます。
Chromium issue: 1084190
[実験的] Application パネルの新しい Reporting API ペイン
実験的な機能を有効にするには、Settings > Experiments の中の Enable Reporting API panel in the Application panel チェックボックスをチェックしてください。
Reporting API はページのセキュリティ違反や廃止されたAPIの利用などの監視を助けるように用意されています。
この実験的な機能を有効にすると、Application パネルの新しいReporting API ペインでレポートのステータスを確認できるようになります。
Endpoints セクションは現在のところまだ開発が非常に活発であることに注意してください(今はレポーティングのエンドポイントは表示されません)。
Reporting API についてより詳しく知るにはこの記事を見てください。
Chromium issue: 1205856
プレビューチャンネルのダウンロード
Chrome Canary、Dev、Betaをデフォルトの開発ブラウザとして利用することを検討してください。これらのプレビューチャンネルでは DevTools の最新機能を利用でき、最先端のウェブプラットフォーム API をテストして、ユーザーが遭遇するよりも先にあなたのサイトの問題を見つけることができます。
Chrome DevTools チームとの交流
新しい機能や、この投稿の変更、その他 DevTools に関することであれば何でも、意見があれば以下のいずれかを使用してご連絡ください。
- 私たちへの提案やフィードバックはcrbug.comから投稿してください。
- DevTools の問題は DevTools の More options > Help > Report a DevTools issues を使用してレポートしてください。
- @ChromeDevTools 宛にTweetしてください。
- What's new in DevTools YouTubeビデオにコメントを残してください。
More DevTools features
関連する機能の完全なリストは、What's New In DevTools の英語版を参照してください。以下は、日本語に翻訳された内容の一部です。
Chrome 110
- 再読み込み時の Performance パネルのクリア
- Recorder の更新
- Recorder でのユーザーフローコードの表示およびハイライト
- レコーディング時のセレクタタイプのカスタマイズ
- レコーディング中のユーザーフローの編集
- 自動的な直接のプリティプリント
- Vue、SCSS などのシンタックスハイライトとインラインプレビューの改善
- Console での人間工学的で一貫性のあるオートコンプリート
- その他のハイライト
Chrome 109
- Recorder: ステップごとのCopy asオプション、ページ内リプレイ、ステップのコンテキストメニュー
- パフォーマンスの記録の中で実際の関数名を表示
- ConsoleとSourcesパネルでの新しいキーボードショートカット
- JavaScript デバッグの改善
- その他のハイライト
- [実験的] ブレークポイント管理の UX 改善
- [実験的] 自動的な直接のプリティプリント
Chrome 108
Chrome 107
- DevTools のキーボードショートカットのカスタマイズ
- キーボードショートカットでのライトテーマとダークテーマの切り替え
- Memory Inspector で C/C++ オブジェクトをハイライト表示
- HAR インポート時の完全な Initiator 情報をサポート
Enter
を押した時にのみ DOM 検索を開始- CSS のフレックスボックスプロパティ
align-content
にstart
とend
のアイコンを表示 - その他のハイライト
Chrome 106
- Sources パネルでの Authored / Deployed によるファイルのグループ化
- 非同期処理にリンクされたスタックトレース
- 既知のサードパーティスクリプトを自動的に無視する
- デバッグ中の改善されたコールスタック
- Sources パネルで無視リストに含まれるソースを非表示にする
- Command Menu で無視リストにあるファイルを非表示にする
- Performance パネルの新しい Interactions トラック
- Performance Insights パネルでの LCP タイミングの内訳
- Recorder パネルでの記録のデフォルト名称の自動生成
- その他のハイライト
Chrome 105
- Recorder パネルでのステップ・バイ・ステップ再生
- Recorder パネルでのマウスオーバーイベントのサポート
- Performance insight パネルに Largest Contentful Paint (LCP) を追加
- レイアウトシフトの潜在的な主要因であるテキストのフラッシュ(FOIT、FOUT)を識別
- Manifest ペインの Protocol ハンドラ
- Elements パネルの Top layer バッジ
- 実行時に WASM のデバッグ情報をアタッチ
- デバッグ中のライブ編集をサポート
- Styles ペインで @scope at-rule の閲覧と編集
- Source map の改善
- その他のハイライト
Chrome 104
- デバッグ中のフレーム再起動
- Recorder パネルでのスロー再生オプション
- Recorder パネル用の拡張機能を構築
- Sources パネルで Authored / Deployed でファイルをグループ化する
- Performance insights パネルの新しい User Timings トラック
- 要素に割り当てられたスロットの表示
- パフォーマンス計測のためのハードウェア並列度シミュレーション
- CSS 変数のオートコンプリート時に色以外の値のプレビュー
- Back/forward cache ペインでブロックしているフレームの特定
- JavaScript オブジェクトのオートコンプリート候補の改善
- ソースマップの改善
- その他のハイライト
Chrome 103
- Recorder パネルでのダブルクリックイベントや右クリックイベントのキャプチャ
- Lighthouse パネルでの新しいタイムスパンモードとスナップショットモード
- Performance Insights パネルでの改善されたズーム制御
- パフォーマンスレコーディングの削除確認
- Element パネルでのペインの並び替え
- ブラウザ外でのカラーピッキング
- デバッグ中の改善されたインラインでの値のプレビュー
- 仮想認証器での大きな blob サポート
- Sources パネルでの新しいキーボードショートカット
- ソースマップの改善
Chrome 102
- プレビュー機能: 新しいパフォーマンスインサイトパネル
- ライトテーマとダークテーマをエミュレートする新しいショートカット
- Network Preview タブのセキュリティ改善
- ブレークポイントのリロード改善
- コンソールの更新
- ユーザーフローレコーディングを開始時にキャンセル
- Styles ペインで継承されたハイライト疑似要素を表示
- その他のハイライト
- [実験的] CSS の変更をコピー
- [実験的] ブラウザ外の色を抽出
Chrome 101
- 記録されたユーザーフローをJSONファイルとしてインポート/エクスポート
- Styles ペインでカスケードレイヤーを表示する
- hwb() カラー関数のサポート
- プライベートプロパティの表示を改善
- その他のハイライト
- [実験的] Lighthouse パネルに新しいタイムスパンとスナップショットのモードを追加
Chrome 100
- Styles ペインでの @supports アットルールの表示と編集
- デフォルトで共通セレクタをサポート
- レコーディングのセレクタをカスタマイズする
- レコーディングのリネーム
- ホバーでクラスや関数のプロパティをプレビューする
- Performance パネルでの Partially presented frames
- その他のハイライト
Chrome 99
- WebSocketリクエスト数の制限
- Application パネル内に新しく追加されたReporting API ペイン
- Recorder パネルに要素が可視/クリック可能になるまで待機する機能が追加
- コンソールのスタイル設定、フォーマット、フィルタの改善
- ソースマップファイルを使用した Chrome 拡張機能のデバッグ
- Sources パネルのソースフォルダツリーの改善
- Sources パネルにワーカーのソースファイルを表示
- Chrome の自動ダークテーマの更新
- タッチ操作で使いやすいカラーピッカーとスプリットペイン
- その他のハイライト
Chrome 98
- プレビュー機能: フルページアクセシビリティツリー
- Changes タブで変更点のよりわかりやすい表示
- ユーザーフローレコーディングのタイムアウト時間を長く設定する
- Back/forward cache タブでページがキャッシュ可能であることを確認する
- 新しい Properties ペインのフィルター
- CSS の force-colors メディア機能のエミュレート
- ホバー時にルーラーを表示するコマンド
- Flexbox エディターで
row-reverse
とcolumn-reverse
をサポート - XHR のリプレイと全検索結果の展開に新しいキーボードショートカットを追加
- Lighthouse パネルの Lighthouse 9
- Sources パネルの改善
- その他のハイライト
- [実験的] Reporting API ペインに Endpoints を追加
Chrome 97
- プレビュー機能: 新しい Recorder パネル
- デバイスモードでのデバイス一覧の更新
- Edit as HTML でのオートコンプリート
- 改善されたコードデバッグ体験
- デバイスを横断した DevTools 設定の同期
Chrome 96
- プレビュー機能: 新しい CSS Overview パネル
- CSS の length の編集とコピーの挙動の復旧と改善
- CSS の prefers-contrast メディア機能のエミュレート
- Chrome の Auto Dark Theme 機能のエミュレート
- Styles ペインで JavaScript として宣言をコピー
- Network パネルの新しい Payload タブ
- Properties ペインのプロパティ表示の改善
- コンソールで CORS エラーを隠すオプション
- Console での適切な
Intl
オブジェクトのプレビューと評価 - 一貫性のある async スタックトレース
- Console のサイドバーの維持
- Application パネルの Application cache ペインの廃止
- [実験的] Application パネルの新しい Reporting API ペイン
Chrome 95
- 新しいCSSの長さ編集ツール
- Issues タブで問題を隠す
- プロパティの表示の改善
- Lighthouse 8.4 が Lighthouse パネルに
- Sources パネルでのスニペットの並べ替え
- 翻訳されたリリースノートへの新しいリンクと翻訳バグの報告
- DevTools Command MenuのUI改善
Chrome 94
- 好みの言語での DevTools の利用
- 新しく Nest Hub デバイスがデバイスリストに
- フレーム詳細ビューの Origin trials
- 新しい CSS コンテナクエリバッジ
- ネットワークフィルタを反転するための新しいチェックボックス
- Console サイドバーが今後非推奨に
- Issue タブや Network パネルでの未加工の
Set-Cookie
ヘッダーの表示 - Console での自身のプロパティとしてのネイティブアクセサの一貫した表示
- #sourceURL を使ったインラインスクリプトの適切なエラースタックトレース
- Computed ペインでのカラーフォーマットの変更
- カスタムツールチップをネイティブの HTML ツールチップに置き換え
- [実験的] Issues タブでの問題の非表示