DevTools の新機能 (Chrome 103)
翻訳者の yoichiro さん、レビュアーの lacolaco さん、 technohippy さん、 yoshiko-pg さんに感謝いたします。
DevTools の改善に興味がある方はサインアップして Google User Research にご協力ください。
Recorder パネルでのダブルクリックイベントや右クリックイベントのキャプチャ
Recorder パネルにて、ダブルクリックイベントや右クリックイベントをキャプチャできるようになりました。
この 例 では、以下の手順を行うために、 レコーディング を開始しています。
- カードをダブルクリックして拡大します
- カードを右クリックして、コンテキストメニューからアクションを選択します
Recorder がこれらのイベントをどのようにキャッチしたかを知るために、以下の手順を行います:
- Double-click は
type: doubleClick
としてキャプチャされます。 - Right-click イベントは
type: click
としてキャプチャされますが、button
プロパティはsecondary
に設定されます。通常のマウスクリックのbutton
値は、primary
です。
Chromium issues: 1300839, 1322879, 1299701, 1323688
Lighthouse パネルでの新しいタイムスパンモードとスナップショットモード
Lighthouseを使用して、ページの読み込みを超えたウェブサイトのパフォーマンスを測定できるようになりました。
Lighthouse パネルは、ユーザーフローの計測に対して、3 つのモードをサポートするようになりました:
- Navigation レポートは、単一ページの読み込みを分析します。 Navigation は最も一般的なレポートタイプです。現在のバージョンより前のすべての Lighthouse レポートは、 Navigation レポートです。
- Timespans レポートは、通常はユーザーの操作を含む任意の期間を分析します。
- Snapshots レポートは、特定の状態でのページを分析します。通常は、ユーザーがページを操作した後です。
たとえば、この デモページ で、カートにアイテムを追加するパフォーマンスを測定してみましょう。 Timespan モードを選択し、 Start timespan をクリックします。スクロールして、カートにいくつかのアイテムを追加します。完了したら、 End timespan をクリックして、ユーザーインタラクションの Lighthouse レポートを生成します。
各モード固有の使用例、利点、制限については、 User flows in Lighthouse をご覧ください。
Chromium issue: 1291284
Performance Insights アップデート
Performance Insights パネルでの改善されたズーム制御
DevTools は、再生ヘッドの位置ではなく、マウスカーソルに基づいてズームインするようになりました。最新のカーソルベースのズームを使用すると、マウスをトラック内の任意の場所に移動して ズームイン することで、すぐに目的のエリアに移動することができます。
パネルを使用して実用的なインサイトを取得し、ウェブサイトのパフォーマンスを向上させる方法については、 Performance Insights をご覧ください。
Chromium issue: 1313382
パフォーマンスレコーディングの削除確認
DevToolsは、 パフォーマンス記録の削除 の前に、確認ダイアログを表示するようになりました。
Chromium issue: 1318087
Element パネルでのペインの並び替え
好みに応じて、 Element パネルのペインを並べ替えることができるようになりました。
たとえば、狭い画面で DevTools を開くと、 Accessibility ペインが Show more ボタンの下で非表示になります。アクセシビリティの問題を頻繁にデバッグしたいときは、ペインを前面にドラッグして簡単にアクセスできるようになりました。
Chromium issue: 1146146
ブラウザ外でのカラーピッキング
DevToolsは、ブラウザの外部での色の選択をサポートするようになりました。以前は、ブラウザ内でしか色を選択できませんでした。
Styles ペインで、任意のカラープレビューをクリックして、カラーピッカーを開きます。スポイトを使用して、どこからでも色を選択できます。
Chromium issue: 1245191
改善されたデバッグ中のインライン値プレビュー
デバッガーは、インライン値のプレビューを正しく表示するようになりました。
この例では、double
関数に入力パラメーター a
と変数 x
があります。 return
行にブレークポイントを設定してコードを実行します。インラインプレビューには、値 a
と x
が正しく表示されます。以前は、デバッガーはインラインプレビューに値 x
を表示しませんでした。
Chromium issue: 1316340
仮想認証器での大きな blob サポート
WebAuthn タブに、仮想認証器向けの新しい Supports large blob チェックボックスが追加されました。
このチェックボックスは、デフォルトで無効になっています。レジデントキーをサポートする ctap2
プロトコルを使用する認証器に対してのみ有効にできます。
Chromium issue: 1321803
Sources パネルでの新しいキーボードショートカット
2 つの新しいキーボードショートカットが Sources パネルで利用できるようになりました。
- Control/Command + Shift + Y で navigation サイドバー(左)をトグルします。
- Control/Command + Shift + H で debugger サイドバー(右)をトグルします。
Chromium issues: 1226363
ソースマップの改善
以前は、開発者は以下の間でランダムな障害を経験していました:
- Codepen の例を使用したデバッグ
- Codepen の例にてパフォーマンスの問題に関するソースの場所の特定
- React DevTools が有効になっているが Component タブがない
全体的なデバッグ体験を向上させるためのソースマップのいくつかの修正を次に示します:
- インラインスクリプトとソースの場所における、位置とオフセットの間の正しいマッピング
- フレームのテキストの場所にフォールバック情報を使用する
- フレームの URL を使用して、相対 URL を適切に解決する
Chromium issues: 1319828, 1318635, 1305475
プレビューチャンネルのダウンロード
Chrome Canary、Dev、Betaをデフォルトの開発ブラウザとして利用することを検討してください。これらのプレビューチャンネルでは DevTools の最新機能を利用でき、最先端のウェブプラットフォーム API をテストして、ユーザーが遭遇するよりも先にあなたのサイトの問題を見つけることができます。
Chrome DevTools チームとの交流
新しい機能や、この投稿の変更、その他 DevTools に関することであれば何でも、意見があれば以下のいずれかを使用してご連絡ください。
- 私たちへの提案やフィードバックはcrbug.comから投稿してください。
- DevTools の問題は DevTools の More options > Help > Report a DevTools issues を使用してレポートしてください。
- @ChromeDevTools 宛にTweetしてください。
- What's new in DevTools YouTubeビデオにコメントを残してください。
More DevTools features
関連する機能の完全なリストは、What's New In DevTools の英語版を参照してください。以下は、日本語に翻訳された内容の一部です。
Chrome 110
- 再読み込み時の Performance パネルのクリア
- Recorder の更新
- Recorder でのユーザーフローコードの表示およびハイライト
- レコーディング時のセレクタタイプのカスタマイズ
- レコーディング中のユーザーフローの編集
- 自動的な直接のプリティプリント
- Vue、SCSS などのシンタックスハイライトとインラインプレビューの改善
- Console での人間工学的で一貫性のあるオートコンプリート
- その他のハイライト
Chrome 109
- Recorder: ステップごとのCopy asオプション、ページ内リプレイ、ステップのコンテキストメニュー
- パフォーマンスの記録の中で実際の関数名を表示
- ConsoleとSourcesパネルでの新しいキーボードショートカット
- JavaScript デバッグの改善
- その他のハイライト
- [実験的] ブレークポイント管理の UX 改善
- [実験的] 自動的な直接のプリティプリント
Chrome 108
Chrome 107
- DevTools のキーボードショートカットのカスタマイズ
- キーボードショートカットでのライトテーマとダークテーマの切り替え
- Memory Inspector で C/C++ オブジェクトをハイライト表示
- HAR インポート時の完全な Initiator 情報をサポート
Enter
を押した時にのみ DOM 検索を開始- CSS のフレックスボックスプロパティ
align-content
にstart
とend
のアイコンを表示 - その他のハイライト
Chrome 106
- Sources パネルでの Authored / Deployed によるファイルのグループ化
- 非同期処理にリンクされたスタックトレース
- 既知のサードパーティスクリプトを自動的に無視する
- デバッグ中の改善されたコールスタック
- Sources パネルで無視リストに含まれるソースを非表示にする
- Command Menu で無視リストにあるファイルを非表示にする
- Performance パネルの新しい Interactions トラック
- Performance Insights パネルでの LCP タイミングの内訳
- Recorder パネルでの記録のデフォルト名称の自動生成
- その他のハイライト
Chrome 105
- Recorder パネルでのステップ・バイ・ステップ再生
- Recorder パネルでのマウスオーバーイベントのサポート
- Performance insight パネルに Largest Contentful Paint (LCP) を追加
- レイアウトシフトの潜在的な主要因であるテキストのフラッシュ(FOIT、FOUT)を識別
- Manifest ペインの Protocol ハンドラ
- Elements パネルの Top layer バッジ
- 実行時に WASM のデバッグ情報をアタッチ
- デバッグ中のライブ編集をサポート
- Styles ペインで @scope at-rule の閲覧と編集
- Source map の改善
- その他のハイライト
Chrome 104
- デバッグ中のフレーム再起動
- Recorder パネルでのスロー再生オプション
- Recorder パネル用の拡張機能を構築
- Sources パネルで Authored / Deployed でファイルをグループ化する
- Performance insights パネルの新しい User Timings トラック
- 要素に割り当てられたスロットの表示
- パフォーマンス計測のためのハードウェア並列度シミュレーション
- CSS 変数のオートコンプリート時に色以外の値のプレビュー
- Back/forward cache ペインでブロックしているフレームの特定
- JavaScript オブジェクトのオートコンプリート候補の改善
- ソースマップの改善
- その他のハイライト
Chrome 103
- Recorder パネルでのダブルクリックイベントや右クリックイベントのキャプチャ
- Lighthouse パネルでの新しいタイムスパンモードとスナップショットモード
- Performance Insights パネルでの改善されたズーム制御
- パフォーマンスレコーディングの削除確認
- Element パネルでのペインの並び替え
- ブラウザ外でのカラーピッキング
- デバッグ中の改善されたインラインでの値のプレビュー
- 仮想認証器での大きな blob サポート
- Sources パネルでの新しいキーボードショートカット
- ソースマップの改善
Chrome 102
- プレビュー機能: 新しいパフォーマンスインサイトパネル
- ライトテーマとダークテーマをエミュレートする新しいショートカット
- Network Preview タブのセキュリティ改善
- ブレークポイントのリロード改善
- コンソールの更新
- ユーザーフローレコーディングを開始時にキャンセル
- Styles ペインで継承されたハイライト疑似要素を表示
- その他のハイライト
- [実験的] CSS の変更をコピー
- [実験的] ブラウザ外の色を抽出
Chrome 101
- 記録されたユーザーフローをJSONファイルとしてインポート/エクスポート
- Styles ペインでカスケードレイヤーを表示する
- hwb() カラー関数のサポート
- プライベートプロパティの表示を改善
- その他のハイライト
- [実験的] Lighthouse パネルに新しいタイムスパンとスナップショットのモードを追加
Chrome 100
- Styles ペインでの @supports アットルールの表示と編集
- デフォルトで共通セレクタをサポート
- レコーディングのセレクタをカスタマイズする
- レコーディングのリネーム
- ホバーでクラスや関数のプロパティをプレビューする
- Performance パネルでの Partially presented frames
- その他のハイライト
Chrome 99
- WebSocketリクエスト数の制限
- Application パネル内に新しく追加されたReporting API ペイン
- Recorder パネルに要素が可視/クリック可能になるまで待機する機能が追加
- コンソールのスタイル設定、フォーマット、フィルタの改善
- ソースマップファイルを使用した Chrome 拡張機能のデバッグ
- Sources パネルのソースフォルダツリーの改善
- Sources パネルにワーカーのソースファイルを表示
- Chrome の自動ダークテーマの更新
- タッチ操作で使いやすいカラーピッカーとスプリットペイン
- その他のハイライト
Chrome 98
- プレビュー機能: フルページアクセシビリティツリー
- Changes タブで変更点のよりわかりやすい表示
- ユーザーフローレコーディングのタイムアウト時間を長く設定する
- Back/forward cache タブでページがキャッシュ可能であることを確認する
- 新しい Properties ペインのフィルター
- CSS の force-colors メディア機能のエミュレート
- ホバー時にルーラーを表示するコマンド
- Flexbox エディターで
row-reverse
とcolumn-reverse
をサポート - XHR のリプレイと全検索結果の展開に新しいキーボードショートカットを追加
- Lighthouse パネルの Lighthouse 9
- Sources パネルの改善
- その他のハイライト
- [実験的] Reporting API ペインに Endpoints を追加
Chrome 97
- プレビュー機能: 新しい Recorder パネル
- デバイスモードでのデバイス一覧の更新
- Edit as HTML でのオートコンプリート
- 改善されたコードデバッグ体験
- デバイスを横断した DevTools 設定の同期
Chrome 96
- プレビュー機能: 新しい CSS Overview パネル
- CSS の length の編集とコピーの挙動の復旧と改善
- CSS の prefers-contrast メディア機能のエミュレート
- Chrome の Auto Dark Theme 機能のエミュレート
- Styles ペインで JavaScript として宣言をコピー
- Network パネルの新しい Payload タブ
- Properties ペインのプロパティ表示の改善
- コンソールで CORS エラーを隠すオプション
- Console での適切な
Intl
オブジェクトのプレビューと評価 - 一貫性のある async スタックトレース
- Console のサイドバーの維持
- Application パネルの Application cache ペインの廃止
- [実験的] Application パネルの新しい Reporting API ペイン
Chrome 95
- 新しいCSSの長さ編集ツール
- Issues タブで問題を隠す
- プロパティの表示の改善
- Lighthouse 8.4 が Lighthouse パネルに
- Sources パネルでのスニペットの並べ替え
- 翻訳されたリリースノートへの新しいリンクと翻訳バグの報告
- DevTools Command MenuのUI改善
Chrome 94
- 好みの言語での DevTools の利用
- 新しく Nest Hub デバイスがデバイスリストに
- フレーム詳細ビューの Origin trials
- 新しい CSS コンテナクエリバッジ
- ネットワークフィルタを反転するための新しいチェックボックス
- Console サイドバーが今後非推奨に
- Issue タブや Network パネルでの未加工の
Set-Cookie
ヘッダーの表示 - Console での自身のプロパティとしてのネイティブアクセサの一貫した表示
- #sourceURL を使ったインラインスクリプトの適切なエラースタックトレース
- Computed ペインでのカラーフォーマットの変更
- カスタムツールチップをネイティブの HTML ツールチップに置き換え
- [実験的] Issues タブでの問題の非表示