DevTools の新機能 (Chrome 100)
翻訳者の yoichiro さん、レビュアーの technohippy さん、 lacolaco さん、 yoshiko-pg さんに感謝いたします。
DevTools の改善に興味がある方はサインアップして Google User Research にご協力ください。
Chrome 100
これが 100 番目の Chrome バージョンです!Chrome DevTools は、開発者がウェブを構築するための信頼できるツールを引き続き提供します。このマイルストーンを祝うために、少し時間を頂いて、What's New タブの中で周りをクリックしてみてください。
いつものように、画像をクリックすることで、最新の What’s New in DevTools 動画 を見ることができます。
Styles ペインでの @supports アットルールの表示と編集
Styles ペインにて、CSS の @supports
アットルールを表示および編集することができるようになりました。これらの変更によって、アットルールをリアルタイムで簡単に試すことができます。
この デモページ を開いて、 <div class=”box”>
要素を inspect すると、 Styles ペインの中で @supports
アットルールが表示されます。編集するには、そのルールの宣言をクリックしてください。
Chromium issues: 1222574, 1222573
Recorder パネルの改善
デフォルトで共通セレクタをサポート
レコーディング中に特定のセレクタを決定するときに、 Recorder パネルは以下の属性を持つ要素を自動的に優先するようになりました。
- data-testid
- data-test
- data-qa
- data-cy
- data-test-id
- data-qa-id
- data-testing
上記の属性は、テストの自動化で使用される一般的なセレクタです。
例えば、この デモページ で 新規にレコーディングを開始 します。 メールアドレスを入力して、セレクタの値を確認してみてください。
email 要素には data-testid
が定義されているので、 id
や class
属性の代わりに、自動的にセレクタとして使用されます。
レコーディングのセレクタをカスタマイズする
一般的なセレクタ を使用していない場合は、レコーディングのセレクタをカスタマイズできます。
例えば、この デモページ は、セレクタとして data-automate
属性を使用しています。 新規にレコーディングを開始 して、セレクタとして data-automate
と入力します。メールアドレスを入力して、セレクタの値 ( [data-automate=email-address]
) を確認してみてください。
レコーディングのリネーム
レコーディングのタイトルの隣りにある編集ボタン(鉛筆のアイコン)を使って、 Recorder パネルでレコーディングの名前を変更することができるようになりました。
ホバーでクラスや関数のプロパティをプレビューする
デバッグ中に、 Source パネルにてクラスや関数にカーソルを合わせることで、そのプロパティをプレビューできるようになりました。以前は、関数名やソースコード内の位置へのリンクのみが表示されていました。
Chromium issue: 1049947
Performance パネルでの Partially presented frames
Performance レコーディングでは、 Frames タイムラインの中で新しいフレームカテゴリ "Partially presented frames" が表示されます。
以前は、 Frames タイムラインは、メインスレッドの動作を遅延させたフレームを "dropped frames" として表示していました。しかし、一部のフレームでは、コンポジタスレッドによって駆動される視覚的な更新(スクロールなど)が依然として生成されるケースがあります。
これらの "Dropped frames" のスクリーンショットはまだ視覚的な更新を反映しているため、これはユーザの混乱につながります。
新しい "Partially presented frames" は、一部のコンテンツがフレーム内でタイムリーに表示されていないものの、視覚的な更新を完全にブロックするほど深刻ではないことをより直感的に示すことを目的にしています。
Chromium issue: 1261130
その他のハイライト
以下は、今回のリリースにおいて注目すべき修正となります。
- エミュレートされたデバイス の iPhone ユーザエージェント文字列が変更されました。 5 以降の全ての iPhone バージョンでは、 iPhone OS 13_2_3 を user-agent 文字列に含みます。 (1289553)
- ソースマップを使ってデバッグするときに、 Sources パネルに正しくスコープ変数名が表示されるようになりました。以前は、ソースマップが提供されているにも関わらず、 Sources パネルには短縮されたスコープ変数名が表示されていました。 (1294682)
- Sources パネルは、ページの読み込み時にスクロール位置を正しく復元するようになりました。以前は、位置が正しく復元されなかったために、デバッグ時に不便さがありました。 (1294682)
プレビューチャンネルのダウンロード
Chrome Canary、Dev、Betaをデフォルトの開発ブラウザとして利用することを検討してください。これらのプレビューチャンネルでは DevTools の最新機能を利用でき、最先端のウェブプラットフォーム API をテストして、ユーザーが遭遇するよりも先にあなたのサイトの問題を見つけることができます。
Chrome DevTools チームとの交流
新しい機能や、この投稿の変更、その他 DevTools に関することであれば何でも、意見があれば以下のいずれかを使用してご連絡ください。
- 私たちへの提案やフィードバックはcrbug.comから投稿してください。
- DevTools の問題は DevTools の More options > Help > Report a DevTools issues を使用してレポートしてください。
- @ChromeDevTools 宛にTweetしてください。
- What's new in DevTools YouTubeビデオにコメントを残してください。
More DevTools features
関連する機能の完全なリストは、What's New In DevTools の英語版を参照してください。以下は、日本語に翻訳された内容の一部です。
Chrome 110
- 再読み込み時の Performance パネルのクリア
- Recorder の更新
- Recorder でのユーザーフローコードの表示およびハイライト
- レコーディング時のセレクタタイプのカスタマイズ
- レコーディング中のユーザーフローの編集
- 自動的な直接のプリティプリント
- Vue、SCSS などのシンタックスハイライトとインラインプレビューの改善
- Console での人間工学的で一貫性のあるオートコンプリート
- その他のハイライト
Chrome 109
- Recorder: ステップごとのCopy asオプション、ページ内リプレイ、ステップのコンテキストメニュー
- パフォーマンスの記録の中で実際の関数名を表示
- ConsoleとSourcesパネルでの新しいキーボードショートカット
- JavaScript デバッグの改善
- その他のハイライト
- [実験的] ブレークポイント管理の UX 改善
- [実験的] 自動的な直接のプリティプリント
Chrome 108
Chrome 107
- DevTools のキーボードショートカットのカスタマイズ
- キーボードショートカットでのライトテーマとダークテーマの切り替え
- Memory Inspector で C/C++ オブジェクトをハイライト表示
- HAR インポート時の完全な Initiator 情報をサポート
Enter
を押した時にのみ DOM 検索を開始- CSS のフレックスボックスプロパティ
align-content
にstart
とend
のアイコンを表示 - その他のハイライト
Chrome 106
- Sources パネルでの Authored / Deployed によるファイルのグループ化
- 非同期処理にリンクされたスタックトレース
- 既知のサードパーティスクリプトを自動的に無視する
- デバッグ中の改善されたコールスタック
- Sources パネルで無視リストに含まれるソースを非表示にする
- Command Menu で無視リストにあるファイルを非表示にする
- Performance パネルの新しい Interactions トラック
- Performance Insights パネルでの LCP タイミングの内訳
- Recorder パネルでの記録のデフォルト名称の自動生成
- その他のハイライト
Chrome 105
- Recorder パネルでのステップ・バイ・ステップ再生
- Recorder パネルでのマウスオーバーイベントのサポート
- Performance insight パネルに Largest Contentful Paint (LCP) を追加
- レイアウトシフトの潜在的な主要因であるテキストのフラッシュ(FOIT、FOUT)を識別
- Manifest ペインの Protocol ハンドラ
- Elements パネルの Top layer バッジ
- 実行時に WASM のデバッグ情報をアタッチ
- デバッグ中のライブ編集をサポート
- Styles ペインで @scope at-rule の閲覧と編集
- Source map の改善
- その他のハイライト
Chrome 104
- デバッグ中のフレーム再起動
- Recorder パネルでのスロー再生オプション
- Recorder パネル用の拡張機能を構築
- Sources パネルで Authored / Deployed でファイルをグループ化する
- Performance insights パネルの新しい User Timings トラック
- 要素に割り当てられたスロットの表示
- パフォーマンス計測のためのハードウェア並列度シミュレーション
- CSS 変数のオートコンプリート時に色以外の値のプレビュー
- Back/forward cache ペインでブロックしているフレームの特定
- JavaScript オブジェクトのオートコンプリート候補の改善
- ソースマップの改善
- その他のハイライト
Chrome 103
- Recorder パネルでのダブルクリックイベントや右クリックイベントのキャプチャ
- Lighthouse パネルでの新しいタイムスパンモードとスナップショットモード
- Performance Insights パネルでの改善されたズーム制御
- パフォーマンスレコーディングの削除確認
- Element パネルでのペインの並び替え
- ブラウザ外でのカラーピッキング
- デバッグ中の改善されたインラインでの値のプレビュー
- 仮想認証器での大きな blob サポート
- Sources パネルでの新しいキーボードショートカット
- ソースマップの改善
Chrome 102
- プレビュー機能: 新しいパフォーマンスインサイトパネル
- ライトテーマとダークテーマをエミュレートする新しいショートカット
- Network Preview タブのセキュリティ改善
- ブレークポイントのリロード改善
- コンソールの更新
- ユーザーフローレコーディングを開始時にキャンセル
- Styles ペインで継承されたハイライト疑似要素を表示
- その他のハイライト
- [実験的] CSS の変更をコピー
- [実験的] ブラウザ外の色を抽出
Chrome 101
- 記録されたユーザーフローをJSONファイルとしてインポート/エクスポート
- Styles ペインでカスケードレイヤーを表示する
- hwb() カラー関数のサポート
- プライベートプロパティの表示を改善
- その他のハイライト
- [実験的] Lighthouse パネルに新しいタイムスパンとスナップショットのモードを追加
Chrome 100
- Styles ペインでの @supports アットルールの表示と編集
- デフォルトで共通セレクタをサポート
- レコーディングのセレクタをカスタマイズする
- レコーディングのリネーム
- ホバーでクラスや関数のプロパティをプレビューする
- Performance パネルでの Partially presented frames
- その他のハイライト
Chrome 99
- WebSocketリクエスト数の制限
- Application パネル内に新しく追加されたReporting API ペイン
- Recorder パネルに要素が可視/クリック可能になるまで待機する機能が追加
- コンソールのスタイル設定、フォーマット、フィルタの改善
- ソースマップファイルを使用した Chrome 拡張機能のデバッグ
- Sources パネルのソースフォルダツリーの改善
- Sources パネルにワーカーのソースファイルを表示
- Chrome の自動ダークテーマの更新
- タッチ操作で使いやすいカラーピッカーとスプリットペイン
- その他のハイライト
Chrome 98
- プレビュー機能: フルページアクセシビリティツリー
- Changes タブで変更点のよりわかりやすい表示
- ユーザーフローレコーディングのタイムアウト時間を長く設定する
- Back/forward cache タブでページがキャッシュ可能であることを確認する
- 新しい Properties ペインのフィルター
- CSS の force-colors メディア機能のエミュレート
- ホバー時にルーラーを表示するコマンド
- Flexbox エディターで
row-reverse
とcolumn-reverse
をサポート - XHR のリプレイと全検索結果の展開に新しいキーボードショートカットを追加
- Lighthouse パネルの Lighthouse 9
- Sources パネルの改善
- その他のハイライト
- [実験的] Reporting API ペインに Endpoints を追加
Chrome 97
- プレビュー機能: 新しい Recorder パネル
- デバイスモードでのデバイス一覧の更新
- Edit as HTML でのオートコンプリート
- 改善されたコードデバッグ体験
- デバイスを横断した DevTools 設定の同期
Chrome 96
- プレビュー機能: 新しい CSS Overview パネル
- CSS の length の編集とコピーの挙動の復旧と改善
- CSS の prefers-contrast メディア機能のエミュレート
- Chrome の Auto Dark Theme 機能のエミュレート
- Styles ペインで JavaScript として宣言をコピー
- Network パネルの新しい Payload タブ
- Properties ペインのプロパティ表示の改善
- コンソールで CORS エラーを隠すオプション
- Console での適切な
Intl
オブジェクトのプレビューと評価 - 一貫性のある async スタックトレース
- Console のサイドバーの維持
- Application パネルの Application cache ペインの廃止
- [実験的] Application パネルの新しい Reporting API ペイン
Chrome 95
- 新しいCSSの長さ編集ツール
- Issues タブで問題を隠す
- プロパティの表示の改善
- Lighthouse 8.4 が Lighthouse パネルに
- Sources パネルでのスニペットの並べ替え
- 翻訳されたリリースノートへの新しいリンクと翻訳バグの報告
- DevTools Command MenuのUI改善
Chrome 94
- 好みの言語での DevTools の利用
- 新しく Nest Hub デバイスがデバイスリストに
- フレーム詳細ビューの Origin trials
- 新しい CSS コンテナクエリバッジ
- ネットワークフィルタを反転するための新しいチェックボックス
- Console サイドバーが今後非推奨に
- Issue タブや Network パネルでの未加工の
Set-Cookie
ヘッダーの表示 - Console での自身のプロパティとしてのネイティブアクセサの一貫した表示
- #sourceURL を使ったインラインスクリプトの適切なエラースタックトレース
- Computed ペインでのカラーフォーマットの変更
- カスタムツールチップをネイティブの HTML ツールチップに置き換え
- [実験的] Issues タブでの問題の非表示